固体音・建物内の振動調査

機械設備や鉄道などの振動が建物の躯体を伝わり、室の壁から放射される音のことを「固体音」といいます。

工場や病院などでは、プラントや設備機器などの影響により床面で微小な振動が発生し、精密機器に影響を与える場合があります。
また近年、集合住宅が街の中心部に建設されることが多くなっており、地下鉄や立体駐車場設備からの振動による固体音が懸念されています。

いずれも建物完成後では低減対策を施す事が難しいため、設計・施工段階での調査が必要となります。

 

調査実績(抜粋)

1. 某医療センター(大阪府)
・問題点: 高精度なMRI装置の映像が振動でぶれてしまい使用出来ない
・調査方法: 設置床面の振動を周波数分析、床面の固有振動数調査
・調査結果: 直下の地下室部分に設置されている換気装置の配管からの影響
2. P社 某工場(大阪府)
・問題点: PDP工場において床面の振動が大きい
・調査方法: 約5m間隔で床面の振動の周波数分析を行い、振動源の特定を行う
・調査結果: 屋上に設置されている換気装置による振動の影響
3. T社 某工場(滋賀県)
・調査内容: 新液晶フィルム製造工場立ち上げ時に、床の振動が許容値以下であるかの確認
4. O社 某研究施設(大阪府)
・調査内容: 室外機の配管の振動を、装置の立ち上がりから終了まで連続測定
5. S清掃組合 某清掃工場(大阪府)
・問題点: ポンプの振動が許容値を超えている
・調査方法: 電動機にピックアップを設置し電動機の振動方向を調査
・調査結果: 電動機の基礎の剛性不足により、ポンプ自体が揺れているのが原因
6. J社 某施設(大阪府)
・調査目的: 鉄道架線下にある施設における振動・騒音の把握
・調査方法: 施設内のいくつかの仮眠室において振動レベル・騒音レベルを測定
・調査結果: 線路の切替装置の継ぎ目の振動の影響が大きい
7. 某温泉宿泊施設(愛媛県)
・問題点: 機械室からの騒音が客室に伝搬し、宿泊客からの苦情があった
・調査方法: 騒音源、伝搬経路の特定のため振動のレベル推移、周波数分析を行う
・調査結果: ボイラーの固体音が壁、柱を伝搬していることが判明
8. C社 某工場(滋賀県)
・調査内容: 3次元計測器の新設計画に伴い、床の振動が許容値以下であるかの確認
9. 某マンション(滋賀県)
・問題点: 住戸下階の電気室からの騒音が居室に伝搬し、住民からの苦情があった
・調査方法: 伝搬経路の確認及び居室騒音レベルの測定
・調査結果: トランスを支持している吊りボルトから伝搬していることが判明

測定事例

地下鉄振動の固体伝搬
某マンション(大阪府)
・問題点: 地下鉄の駅直結の計画マンションにおける固体伝播音の影響
・調査方法: 地下部分において列車通過時の振動・騒音を測定
・調査結果: 建物の基礎に固体音対策を盛り込む必要があることが判明
機械振動の固体伝搬
某清掃工場(静岡県)
・問題点: 油圧ユニットの固体伝搬音が棟内の見学者通路で許容値を超えている
・調査方法: 音源室及び受音室において、振動加速度レベル・音圧レベルを調査
・調査結果: 既存防振ゴムの性能が不足しいることが判明。また、配管の防振支持が必要と判明
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